2019年11/1(金)、2(土) ベルサール新宿でWordCamp Tokyoが開催され、2日に一般参加してきました。この記事はその個人的感想とレポートであり、WordCampに参加したことはないけれど、どんなものか?というのが伝わればと思って書きました。
WordCampって何?野外キャンプでもするの??
私はWordCamp自体の参加は2回目で、前回は先月行われた新潟のWordCampに参加してきたばかりですのでほとんど初参加状態となりますのでWordCampと聞くと下記の印象が拭えませんでした。
WordCampってキャンプというし、男木島で肉焼いてるイメージが強くて割と本気でWordPress関連のひとが音楽のフェスみたいなノリで野外でBBQしながら、ついでに登壇するというBBQが主役のイベントと思ってた。
— やしポ (@yashiro_pork) 2019年11月3日
普段はShinshu WordPress Meetupで色々勉強させて頂いており、そこのオーガナイザーの人に2018年に行われたWordCamp男木島の写真を見せられ、WordPress関連の人が集まり、野外でBBQをする集まりなんだなと割と本気で勘違いしておりました。というのも男木島のWordCampでは本当にBBQをしていましてWordCampというのが何たるかというのを分かっていなかった当時の私には完全にキャンプ的なものをする何かというが植えつけられました。
WordCampはWordPressのお祭りです。キャンプはしません。
そうなんです。WordCampはキャンプしません。WordCampはすなわち、WordPressの関係者が登壇したり、それを聞いたりして交流をする公式イベントなんですね。通例で東京と大阪は毎年のように行われており、今回は新宿で行われました。
会場は「ベルサール新宿グランド」
会場の雰囲気はこんな感じ
セッション会場で気になる登壇を聞こう
受付をすると、エコバックやパンフレットがもらえます。そこにセッション会場は5つ記載してあり、時間が被ってしまうのでタイムテーブルが被るので全部は聞けません。残念。しかし、WordPress.tvですべてのセッションが配信されるので見れなかたセッションは後日確認出来ます。
前回の新潟ではセッションが1時間単位でしたが、東京は30分と短めで数が多く、まるでセッションのわんこそば状態。非常にタメになる内容で集中して聞きたいところですが集中力が追いつかなくなりましたが休憩室も完備されており合間合間に休憩をとり、コーヒーやお茶などのフリードリンクでリフレッショし、楽しく回れました。
そんなわけで色々なところを巡ってセッションを聞いてきましたので、その感想&レポートといきたいと思います。
WordPressではじめるA/Bテストのススメ
登壇者 井水大輔さん
A/Bテストのことについてのセッションです。登壇者の井大さんはウェブ解析士の方です。A/Bテストとは、A案、B案があったとして実際どちらがいいのかを検証するテストです。制作者側の主観が入らずに客観的なデータが取れるというわけです。
どれか一番成果があったバナーでしょう?
例えば英会話学習塾のバナーA案、B案、C案があります。このバナーを広告として出して最も資料請求につながったのはどれでしょう?ちなみに私はA案だと思いました。しかし、A/Bテストで最も資料請求につながったのはB案だったのです。
私の主観では英会話教室というのは「楽しくみんなで学べる」というイメージの元、一番楽しそうなバナーを無意識に選びました。私も自分で作るならA案のようなバナーでしょう。しかし、現実は本気で自分の子供に英語を学んでほしいという親御さんが多いらしく、そのイメージが強いB案だったのです。このように自分の価値観と現実の価値観には乖離があり、テストをしなくては本当に効果的なものは分からないというわけです。
ちなみにA/Bテストで70億円の恩恵を受けた人物がいます。オバマ大統領です。アメリカ大統領選挙で自身のサイトのデザイン案を3つ容姿し、どれが最も効果が得られたか検証し、見事大統領選挙は勝ち抜いただとか。それくらいA?Bテストというのは大事なんですね。
自分の主観でやるのも大事なことですが、結果を求めるならこれらのテストを継続し、実質的なデータを得て成果に繋げていきたいですね。ちなみにA/Bテストを行うツールで有名なのはGoogleオプティマイズらしいですよ。
本当にだれにでもできる、WordPress をよりよいものにする方法。
登壇者 占部絋(Toro_Unit)さん
私がいつもお世話になっているShinshu WordPress Meetupのオーガナイザーの占部さんのセッション。ちなみに私に男木島WordCampの写真を見せ、勘違いさせた人です。
内容としてはWordPressのエディターがGutenbergになった際に日本語入力がバグに正しく入力出来なった当時、それを公式Slackチャンネルで外国の方と解決したという話を中心に、オープンソースであるWordPressのトラブルを使うもの一人一人がそういったトラブル解決に参加してよくしていこうねって話です。
Gutenbergリリース直後の日本語入力バグ問題
具体的に何があったかというとWordPressが5.0になった2018年の暮れに記事を書くエディターがGutenbergというブロックエディターになりました。その際に日本語入力がまともに入力出来ないというバグが発生。「かきくけこ」と打ちたいことが「kあkいkうkえkお」となってしまうようなバグ。なんか母音しか出ない感じですね。WordPressは外国で作っているCMSなので日本語入力のバグは見落としてしまったのですね。
Gutenbergがリリースされた直後はTwitterでは、このバグに対して阿鼻叫喚。しかし、誰がこのバグに対して何もしないのです。こつまり、傍観者効果が発生してしまっているのです。(傍観者効果は緊急時に誰もその問題を解決しようとしないで傍観者になってしまう心理効果、一時期Twitterで話題になったしあわせアフロの有名な火事になっても家主すら消防車を呼ばずに傍観者になってしまう現象)
消防車が来ない話 ④ pic.twitter.com/qR6dlIcF2y
— のりつけ雅春 結婚アフロ❺巻10/30発売 (@zenbutukawarete) 2019年2月18日
このバグを直すのはWordPressの偉い人達ですが、このバグをその人達に報告するのは誰なのでしょう。ズバリ、日本語バグなのでWordPressに関係する日本人の一人一人というわけなのです。占部さんは傍観者にならずに当事者になり、このバグの解決に向かったというわけです。
公式slackでWordPressの修正権限のある人とバグを直していく占部さん。占部さんは報告し、日本語検証が出来る環境のない修正権限のある人に変わって検証し無事解決し、今日のWordPressの日本語入力は問題なく行われているんですね。
オープンソースなんだからみんなでバグ修正に参加しよう
さて、この今回、占部さんは報告し直されたバグを検証するという立場に徹しました。つまり日本語が出来れば誰にもで出来るってことなんですね。だからWordPressのようなオープンソースにおけるバグは傍観者にならず一人一人がバグ修正に参加しなきゃいけないというわけなんですね。
ちなみに具体的な参加方法は下記の公式Slaskに報告するか、WordPressのWikiであるWordPress Codex 日本語版で記事を編集したりするのがいいですよ。
クライアントワークのオリジナルテーマ制作 〜実務でのWebサイト構築の抑えどころ〜
登壇者 中島真洋さん
クライアントワークという受注ベースの仕事がほとんどの中島さんの登壇。Gutenbergでのサイト構築などについて聞けました。サイト制作をするうえでの便利なWordPressのプラグインも制作されているようで色々教えて頂きました。
ウェブ制作におすすめプラグイン
- Admin Bar Position
- ご本人制作のプラグイン。WordPressでブログ書いたり、制作している人しか知らないと思いますが、WordPressにログインしている状態でサイトを表示すると、ページ上部にバーが表示されます。そこから管理画面に飛べたりして便利なのですがサイトのヘッダーと被って邪魔なんです。これを特定の位置に操作する便利なプラグイン。ご本人も邪魔だなーと思って作ってみたところ、みんなも同じこと思ってたらしく多くの活用されたのこと。
- WP Theme Test
- ご本人制作のプラグイン。テーマなどを変更する際に特定の権限を持ったユーザーのみテスト表示をさせ、通常のサイト訪問者を含むそれ以外のユーザーにはいつも通りのテーマを表示させるプグイン。テスト環境でテーマ変更して問題なければ本番環境のテーマを変更するというのが理想の流れですがテスト環境と本番環境の設定が異なっている可能性もあるので、本番環境でテーマを切り替える際にこのプラグインを使って非ログインユーザーには切り替える前のテーマを表示させて、新テーマが問題なければ全ユーザーを対象に切り替えるというわけですね。
他にも小技を教えて頂きました。Gutenbergでの編集画面と実際に投稿されるページには違いがありますよね。当然ですがあてられてるCSSが違うからなのですが、これが投稿画面と同じだったら編集するのがわかりやすいですよね。
この問題を解消するには実際に投稿されている同じCSSを編集画面にあてればOK。その操作はfunctions.phpに下記のコードを書く。
function my_editor_style_setup() {
add_theme_support( 'editor-styles' );
add_editor_style( '実際に投稿されている同じCSS.css' );
}
add_action( 'after_setup_theme', 'my_editor_style_setup' );
Gutenbergでワイヤーフレームからのブロックを資産に!
さらに、Gutenbergって編集エディターと思っていたらサイト制作も出来てしまうんですね。
上記の図のように、これまではワイヤーフレームを何かしらのツールで作り、お客さんに確認後、サイトデザインを起こすって流れだったのですが、ワイヤーフレームをGutenbergでやってしまえという考え。これでリンクも設定されているのでワイヤーフレームの段階でサイトが再現されお客さんもイメージしやすいですね。さらにGutenbergで作ったブロックってコピー出来てしまうのでワイヤーフレームを流用出来てしまうの、やれやるほど同じような要素をコピー出来、作業の工数も下げれれるというわけです。すごい!ちなみにブロック対応のテーマを使えばHTMLもブロック感覚で作っていけます。あれ…?コーディング作業いらなくなるんじゃ?
というわけでWordPress関係のクライアントワークでサイトをつくる便利な情報でした。
知識の奴隷にならない
最後に興味深い話でまとめです。「WordPress」が「wordpress」って書いてあったらどうします?「Width」って何て読みます?いわゆる◯◯警察になって正しいことにマウントをとり、発信者の些細なミスでもう話を聞かなくなるのは、この業界のよくある現象。そのあとに続く本質的な話が聞ける可能性を放棄しているわけです。つまりWordPressの綴り問題とかWidthの読みかたでマウントとるってことは機会損失し、知識の奴隷になってるってことなんですね。勿体無いことです。
デザイナーと情報発信のいい関係
登壇者 角田綾佳さん
Twitterでよく見かけるかわいいイラストでお馴染みの角田さんのセッションです。WordCamp2014に参加してデザイナーの立場から衝撃を受け、発信していこうと思うようになったエピソードを語られていました。
というのも私もデザイナーなのですごく共感したのですが、デザイナーって職人気質的な感じがあり技は盗めだとか、自分の力で0から作ったもに価値があるとかっていう価値観があるのですよね。しかしWordCamp2014に参加した角田さんはエンジニアと交流することによって、真逆の考えを持つ彼らに衝撃を受けたといいます。彼らエンジニアは技術をお互いでシェアし、フレームワークなどを駆使し0からは作らない姿勢に感銘を受けたられ、自分のデザイナーとしての技術を世に発信していこうと思ったと語っておられました。
でも、シェアって怖い
私もSNSの炎上とかマウント取りなどで賑わってるTwitterなんか下手なこと言えない…。という恐怖が脳裏をちらつきます。しかし発想を変えて下記の不安を以下のような解釈で乗り切るといいといいことです。
- 間違ったことを書くと批判されるんじゃないか
- 間違ったままにしておくよりいい!勉強してまた発信できる
- 大したことないって思われたら恥ずかしい
- 母数が多ければ、好きになってくれるひとも増える!
- 変に受け取られて炎上したらどうしよう
- デザイナーとして、正しく伝える練習になる!
「読む人のことを考えてってよく言うけど」3方良しが一番いい
商売でも売主、お客さん、取引際でトライアングルを組み3方がいい関係を築くとよく聞きますが、その発信者版ですね。発信者がインプットした情報をアウトプットし、読んだ人がインプットする。そして、発信者が間違った情報を教えてくれる人が正し、互いに成長する。うん、理想なトラインアグル。私も角田さんを見習って、今後はどんどん情報を発信していきたいと思います。
余談ですが、こんなかわいいイラストがスライドごと描かれていてめちゃくちゃ楽しかったです(笑)
企業ブースを巡ろう
名だたるサーバー屋さんや、有名プラグインを作っている制作会社も集い日々のもやもやも解決できます。個人的にすごく参考になったのはWelcartですね。コルネ株式会社という福井の会社が制作しているプラグインなんですね。たまに仕事でECサイトを作るのですが、ここ最近はEC-CUBEの案件が何件かあるのですが、公式フォーラムが分かりにくくてカスタマイズにしくく、何かもプラグイン頼り。WelcartはWordPressのプラグインなのでカスタマイズしやすそう。何より国産プラグインってのがよい。
まとめ
というわけで、WordCampは別にキャンプではありませんし、BBQもしません。(男木島がイレギュラーすぎ)私が感じたのはWordCampとはWordPress関連のお祭りなんだなぁと思いました。そして、普段はSNS上でしか交流しない方や、このイベントでしか顔を合わさない遠方と方々と会う日。そう、大規模なオフ会といわけですね。あれ?なんかコミケっぽいな。
会場では気になるWordPress関連の本も立ち読みできるし、色々なグッズも貰えて楽しいです。次回は2019 年 12 月 6 日(金) 7 日(土)でWordCamp大阪です。時間作ってまた行きたい!
ちなみにアフターパーティーはWARPというクラブでパリピでした。(えぇ…。みんな陽キャすぎぃ)
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