前回のあらすじ
アマテラスの国をウンチまみれにしたり田畑をめちゃくちゃにしたりと暴走するスサノオ。しかし寛大な心(身内贔屓)で許すアマラスだったが、スサノオが機織小屋に皮を剥いだ馬を投げ込んだことにより機織女が死亡。この事件がきっかけでアマテラスはショックを受け天野岩戸に引きこもってしまう。そして太陽神が隠れることにより辺りは昼にもかかわらず闇の世界になってしまうのであった…。
マンガ「アマテラス脱引きこもり大作戦」
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アマテラス脱引きこもり大作戦#日本神話 #古事記 #日本書紀 #須佐之男命 #天照大御神 pic.twitter.com/XaYkliLp9x
— やしろポーク (@yashiro_pork) November 15, 2020
解説
有名な「岩戸隠れ」のお話です。スサノオの傍若無人の暴走で傷心のアマテラスは岩戸に隠れてしまました。太陽神であるアマテラスが隠れてしまったことで辺りは真っ暗。天界も地上界の真っ暗で神々は大パニック。その中でもなんとしてでもアマテラスを岩戸から引き摺り出そうと神々は話し合い、なんとか成功。再び世の中は光を取り戻したのでした。騒動の発端をつくったスサノオは高天原を追放され(2度目)、地上界を彷徨うことになるのでした。
岩戸隠れは皆既日食を表現している?
神話全体に言えることですが得体の知れない自然現象や災害の恐怖を何かで比喩していることが多いです。岩戸隠れも太陽神であるアマテラスが岩戸に隠れてしまうことにより辺りは昼にもかかわらず真っ暗になってしまいます。これはまさに皆既日食を表現しているという説があります。当時の人たちにとっては昼間に太陽がなくなり暗くなるなどということは恐怖でしかなかったでしょう。
他の例を挙げると日本神話には「国譲り」というお話があります。この話はスサノオの子孫である大国主が地上に立派な国を築き上げます。それを天界から見ていたアマテラスは元々天界の神であるスサノオの血を引く大国主が作った国ということで、天界の神が地上の国を治めるのに相応しいという発想をします。完全ないいとこ取りな横取りというところですが、なんやかんやあって大国主とアマテラスの使いが話し合いで国を譲ってもらうという平和的な解決法で完結します。
この話は、とある大昔すぎてあいまいな日本史の出来事を比喩しています。縄文人が弥生人を平和に受け入れたという出来事です。世界史的にみれば他民族が侵略してきた場合、略奪や強姦などが発生しDNAの性質が急に変わるということがわかります。しかし縄文人と弥生人は綺麗なグラデーションを描くように混ざっていきます。これは地上の神を縄文人、天界の神を弥生人に当てはめると分かりやすいのですが話し合いのような平和的解決で縄文人は外来の弥生人を受け入れて同化していったのだということを日本神話では「国譲り」の話で表現しているといわれています。
話はそれてしまいましたが、この岩戸隠れも皆既日食という恐怖を神話の話にいれて表現したのだと思います。
アマテラスを岩戸から引っ張り出す大作戦決行!
さて昼なのに真っ暗になってしまい高天原の神々は大パニック。どうしたものかと知恵の神である八意思兼神に相談をします。
八意思兼神がたてた作戦の内容
知恵の神である八意思兼神が立てて、実行した作戦は以下の通り。
- 太陽の使いである常世の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かせた
長鳴鳥はニワトリのこと。鶏の鳴き声には太陽の神様を呼ぶ力が有ると言う事で鳴かせてみますが岩戸は開かずに失敗に終わります。 - 鉄を打ち鋼を製造。その鋼で八咫鏡を作る
鍛冶の神、天津麻羅(あまつまら)に、鋼を作らせた。その鋼で、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に八咫鏡(やたのかがみ)を作らせた。ちなみにさらっと出てきますが八咫鏡は三種の神器のひとつです - 八尺瓊勾玉を作る
玉祖命(たまのおやのみこと)に命じて、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を作らせた。ここでもさらっと出てきますが八尺瓊勾玉は三種の神器のひとつです。 - 骨と木を焼いて占い、八咫鏡、八尺瓊勾玉を榊に取り付け御幣を完成させる
布刀玉命((あめのふとだまのみこと)と天児屋命(あめのこやねのみこと)がこの作戦の経緯を占いました。占いの儀式の結果は不明ですが、2柱で雄鹿の肩の骨、ははかの木(カニワ桜)焼いて占いの儀式を行った後に、根ごとひきちぎった榊に②で作った八咫鏡を一番の枝に、③で作った八尺瓊勾玉を真ん中の枝に、一番下の枝に木綿と麻の布巻きつけて御幣として完成させました - 岩戸の前で御幣をもち、祝福の祝詞を唱える
④で登場した天児屋命が祝福を唱えます。祝詞の神なんですね。布刀玉命が祝詞で待機。(ここで祝詞を唱える意味か未だにわかりませんが、御幣という神聖なものを持つのに必要なことと解釈しています) - 外で芸能の神が踊り周りを盛り上る
芸能の神、天宇受賣命(アメノウズメ)が神々を盛り上げることにより神は大歓喜!胸をさらけ出し、裳の紐を陰部までおし下げて踊ってるから盛り上がるよね!古代のストリップだと思っています - 力の神が岩戸のそばで待機
力の神、天手力男神(アメノタヂカラヲ)がアマテラスが隠れる岩戸のそばで待機しています。そして外は太陽神である自分が岩戸に籠もったことにより真っ暗で神々は落ち込んでいるはずなのに笑っています。アマテラス超気になる!ちらっと岩戸の隙間から外の様子を伺います。するとアメノウズメが「アマテラス様より尊い太陽神様がいらっしゃいましたので、皆歓喜しているのです♪」と踊っているのではありませんか - 岩戸を除いた隙に八咫鏡でアマテラス自身を写しださせる
④で作った御幣の一番上につけた八咫鏡でを岩戸から外の様子を覗いてきたアマテラスに向けます。すると自分と同じ太陽神がいることに驚愕します。(当然ですよね、鏡に太陽神である自分が写っているのですから) - アマテラスが驚愕している隙に岩戸を投げ飛ばす
⑦で外で待機しているカヂカラヲが岩戸を投げ飛ばし、アマテラスを引き摺り出します。彼女が外へ出たことにより天界、地上界に再び光が降り注ぐいのでした。
つまり思金神が立てた作戦に色々な神々が協力してこの危機を脱したのですね。このお話からみんなで協力すればあらゆる困難は脱することは出来る。明けない夜はないというメッセージを感じます。
上記のコマで作戦の内容はめちゃくちゃ割愛していますがさらに一言で表すと「アメノウズメのエッチ踊りで周りを盛り上げて、覗きにきたアマテラスを引き摺り出す大作戦」というわけですね。その背景には色々な神様が頑張ったといわけです。
岩戸が落ちた場所は長野県戸隠?
さて、この時にタヂカラオが投げた岩は地上界に落ちました。この落ちた先が長野県の戸隠といわれています。つまり岩戸を隠した場所ってことなんですね。その落ちた岩戸が戸隠山になったといわれています。日本神話は長野が出てくるので長野県民として私は嬉しいです。
戸隠神社奥社に祀られるタヂカラオ
現在、力の神タヂカラオはスポーツの神としても戸隠神社奥社にまつれております。戸隠神社奥社はパワースポットしても有名で一度は訪れてみるといいでしょう。(ちょっと登ります)
200本以上のスギの巨樹が続く杉並木 戸隠神社奥社 祀られてるタヂカラオ 帰りは戸隠そば
天孫降臨編でも出てくる岩戸隠れの神々
ちなみに「岩戸隠れ」のお話で活躍した神様は、のちのちの「天孫降臨」というアマテラスの孫であるニニギが大国主より譲り受けた地上界に舞い降り治めるというお話で再度登場します。ニニギの付き人として7柱が一緒に地上界に舞い降ります。
- 天手力雄神(あめのたぢからお)/岩戸を投げた神様
- 八意思金神(おもいのかね)/作戦を立てた神様
- 玉祖命(たまのおやのみこと)/八尺瓊勾玉を作った神様
- 伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)/八咫鏡を作った神様
- 天宇受賣命(あめのうずめのみこと)/踊りを踊った神様
- 布刀玉命(あめのふとだまのみこと)/占いをし、御幣をかざした神様
- 天児屋命(あめのこやねのみこと)/占いをし、祝詞を唱えた神様
鍛冶の神様いなくねぇ…?
活躍した7柱が再登場しましが、タヂカラオとオモイノカネを除いた5柱を「五伴緒神」と呼びます。何故や…。
まとめ
というわけで有名な「岩戸隠れ」の回でしたが、スサノオの傍若無人な振る舞いにより引きこもってしまったアマテラス。その後は神々が協力してアマテラスを外へ出るように知恵を絞り頑張ったのですね。長野の戸隠のお話も出てきてやしポは満足だよ。次回は通報されたスサノオが地上界をさまよってウンチ食わされるお話へと続きます。
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日本神話の古事記に関してはこの本がめっちゃ分かりやすくてお勧めです。
愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記
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