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スサノオが食物の神にウンチ食わされる話【日本神話】

究極の選択のひとつに「カレー味のウンチ、ウンチ味のカレー、食べるならどっち?」というものがありますよね。今回のお話は日本神話においてそれを体現したお話になります。

目次

前回のあらすじ

スサノオの傍若無人な振る舞いにアマテラス激怒!岩戸に引きこもる!年頃の女は扱いを間違えるとキツぜ!太陽神であるアマテラスが岩戸に隠れ周りは真っ暗、他の神々は混乱するも協力しアマテラスを岩戸から引き摺り出すことに成功!辺りは再び太陽に光を取り戻すのでした。この騒動の原因を作ったスサノオは高天原(天界)を追放!これで父イザナギからの追放に続き2度目の追放である。地上に落とされたスサノオは地上界を彷徨うのであった。(詳しくは前回の「岩戸隠れ」を読んでね!)

マンガ「究極のカレー味のウンチ」

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解説

さて、今回のお話はスサノオが高天原を追放され、地上界をお腹を空かせて彷徨っていました。そんな中、大宜都比売と出会い、彼女はスサノオに様々な食物を振る舞いました。美味しく頂いていたスサノオは、ふとその行為が不審に思え、大宜都比売が食事の用意をする様子を覗いてみたのです。

なんと大宜都比売は鼻や口、尻から食材を取り出し、それを調理していました。スサノオは、そんな汚い物を食べさせていたのかと怒り、大宜都比売を斬り殺してしまいました。すると、大宜都比売の頭から蚕が生まれ、目から稲が生まれ、耳から粟が生まれ、鼻から小豆が生まれ、陰部から麦が生まれ、尻から大豆が生まれた。 これを神産巣日神が回収し、日本における五穀と養蚕の起源とされています。

Wikipedia

やばい、何度読んでも古事記の原作が面白すぎる。

日本神話の神様は天界と地上界で種類が違うぞ!

今回登場した神様は国津神の大宜都比売(おおげつひめ)です。余談ですが、高天原(天界)に住む神様を「天津神」、地上界に住む神様を「国津神」と呼びます。上下関係は特にないようなのですが日本神話の所々に国津神が天津神を敬うシーンが多々あるのでアマテラス率いる天津神の神々のほうが気持ち上の立場なのでしょうか?

オオゲツヒメについて

食物の神様であり、スサノオの腹違いの姉!?

食物の神 オオゲツちゃん
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今回登場した国津神のオオゲツは自分の汚物を食べ物に変える能力があり、彼女なり天津神であるスサノオが地上界にきたことを歓迎していたのだと思います。それを早とちりしたスサノオは彼女を殺してしまうのですね。このお話の教訓は「人の話は最後まで聞け!」ってところでしょうか?

ちなみにオオゲツはスサノオの腹違いの姉です。ややこしい関係ですがオオゲツは「国生み編」でイザナギとイザナミが産んだ神様の1柱です。あの時はイザナミが生みすぎなのと自分が産んだ火の神で産道を大火傷し亡くなったエピソードが強すぎて目立ちませんが、あの時産んだ神様だったのです。スサノオはイザナギが単独で産んだ神様なので、母親をイザナギと解釈すると腹違いの姉ということになります(ややこしい)。

能力は自分の体内から排出したものを食べ物に変える能力

ジョジョ4部のトニーさんを彷彿とさせるぜ

日本神話には時折、このようにジョジョの奇妙な冒険のような能力を持ち合わせた神様が登場します。オオゲツの能力は「自分の体内から排出したものを食べ物に変える能力」。まさにウンチして食べ物に変えて、それを食べる永久期間!遭難したって食べ物に困らないぜ!

日本書紀ではツクヨミがオオゲツを殺します

誰だってウンチ食わされたら怒る
どんな美味しかろうとなぁ!!

さて、今回はスサノオがウンチ味のカレーを食べさせられ怒り、オオゲツを切り殺したエピソードとして「わくわく日本神話」を描きましたが、これは古事記のお話をベースとしており日本書紀ではスサノオではなくツクヨミが汚物の食べ物を食べさせられてオオゲツを殺しています。

古事記と日本書紀の違い
日本神話は大きく分けて「古事記」と「日本書紀」に別れます。両者とも基本的には同じことが書いてありますが「古事記」は国内向け、「日本書紀」は海外向け(主に中国)として日本という国の紹介事が書いてあるため、若干の表現の違いやエピソードの違いがあります。ポケモンの赤ver、緑verのようなものだと思ってください。

ツクヨミについて
唐突に出てきましたが、アマテラスの弟、つまりスサノオの兄です。父イザナギが闇落ちしたイザナミから逃げてきたあとに池で産んだSSレアの1柱です。アマテラスは太陽神として世の中を照らすように命じられ、ツクヨミは夜を統べる神として命じられました。(スサノオは海を治めるよう命じられましたが、母に会いたいと泣きじゃくりイザナギに追放されます)

古事記ではアマテラス、スサノオと大活躍する神と一緒に意味深に出てきといて、登場して終わりです。しかし日本書紀では今回のスサノオのポジションで出てきてオオゲツに汚物の食べ物を食べさせられれ激怒して彼女を切り殺し、姉のアマテラスに天界を追放されます。つまりツクヨミ、スサノオの両弟は姉にダブルで追放されてしまったというエピソードが日本書紀には記載されているのです。

古事記でも日本書紀でも誰だろうとウンチ食わせてやるぜ

ウンチ以外のものだって食べ物変えられます

ゲロやツバだっていけるぜ!

ウンチだけかと思いきや排泄物ならなんでも食べ物に変えられます。今回はウンチをカレーに変えるという至ってシンプル!誰しもが想像できるウンチをみんな大好きカレーに変える夢の魔法を披露してくれたオオゲツ様ですが他にもゲロやツバなどを使って様々な美味しい料理を振る舞ってくれます。どんな物を作ってくれるのか楽しみですね。

オオゲツの死体からは色々生まれ、五穀と養蚕の起源に

五穀豊穣だろうがスサノオの怒りは治らないぜ!!

スサノオに殺された彼女の遺体からは、目から稲が生まれ、耳から粟が生まれ、鼻から小豆が生まれ、陰部から麦が生まれ、尻から大豆が生まれた。 これを神産巣日神が回収し、日本における五穀と養蚕の起源とされています。五穀豊穣といいますが彼女の犠牲あってのことなんですね、感謝。さらに食物の神なのに、さりげなく養蚕の起源まで持ってくとはにくいね!

さて、唐突に神産巣日神(カミムスビ)という神様が出てきましたね。実はこの神様は日本神話で一番最初の方に出てきた偉い神様。天界の神様を「天津神」、地上界の神様を「国津神」と呼びますが、この神様はそのふたつにも属さない「別天津神」というカテゴリーに属す神様。さらに5柱いる別天津神のさらに偉い3柱である造化三神の1柱であります。(ややこしいけどNARUTOでいったら伝説の三忍の一人で火影になった綱手みたいな感じや!あっ!?三番目に偉いから猿飛か?もういいや!!よくわかんね!!)とても偉い神様ですが、日本神話あるあるの1度出てあまりお話には絡んできませんというお馴染みパターンの神様です。

ハイヌウェレ型神話のひとつ

世界の神話には殺された神の死体から作物が生まれたりする話が多々あります。これを「ハイヌウェレ型神話」と呼びます。その典型例としたインドネシア・セラム島のヴェマーレ族の神話に登場する女神の名前からこの名称が付けられました。

日本神話もシルクロードから伝わった影響かギリシャ神話と似たようなお話もありますよね(イザナギとイザナミの黄泉の国の話とオルフェウスとエウリュディケの冥界の話など)

神話というものはとんでもないお話が多く、日本のマンガと同じでどことなく誰かの影響を知らず知らずの内に受け、同じようなお話が描かれているのだと実感します。

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まとめ

今回はスサノオが天界を追放後に地上界を彷徨ったお話です。この後、有名な八岐大蛇を退治する話へ繋がるのですが、話が話だけに割と省略されがちな話ですが私はこの話が大好きなのです。

日本神話にことをろくに知らなかった頃に教養を付けようと日本神話を読みました。「スサノオの八岐大蛇退治」や「因幡の白兎」などの有名はお話は知っていましたが、この大宜津比売のお話はインパクトが強くて衝撃的でした。というかイザナミが火の神を出産する時に糞尿を垂れ流したという表現から薄々思っていたのですが、日本神話ってウンチ出過ぎじゃないですか?ウンチネタで未だに笑ってしまう私にとっては大爆笑しかないですよ。色々な神話を読みましたが、こんなにウンチネタ多い神話って日本神話だけじゃないですか?

神話界のコロコロコミックですよ!


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この記事を書いた人

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